甘く、苦く
第73章 磁石 【move on now】session 5
「ふぁっ…ね、翔さっ…」
「こんなん、襲って欲しいって
言ってるようなもんだろ、」
「ちがっ…くぁ、」
「違くねーじゃん、ここ。
こんなになってるのわかんない…?」
翔さんの指が後ろを
出たり入ったりしてて体が動く。
「だっ、てぇ…っ、翔さんの…っ
指がぁっ…」
「慣らしてるだけなのに、
感じちゃうんだ…?」
「っふ、」
びくっと体が跳ねて
どうしようもないくらい奥が疼く。
…指だけじゃ、
足りないんだってば…
「ぅあっ…も、だめぇっ…」
指じゃ、足んない…そう思ったら、
すぽんっと指が抜けた。
「っは、翔さ…?」
「二宮の顔みたいから、」
なんて言って、
俺の頬にキスをした。
「ぁ、」
「…ね、今日はここでシよ」
「へっ…!?な、なに言って…ぁあっ…」
何も付けずに挿入ってきた
翔さん自身。
ゴム越しなんかじゃ
伝わらないほど、
温かくて圧迫感がある。
そんなに辛くなんてない。
でも、
むくむくと大きくなる翔さん自身が
いっぱい感じられると思うと、
愛おしさが増す。
「あ…はっ、」
「ほんと、こんな格好で
外出ちゃだめだから…
無防備すぎるし…」
つつ、と頬を撫でて
またキスを落とした。
あぁ、こんな卑猥な状況に
興奮している自分がいるのが
なんだか情けない───…