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甘く、苦く

第73章 磁石 【move on now】session 5






「ん、ふ…」


何度も角度を変えてやれば、
だんだん声が甘くなる。


そろそろ腕も痺れてきて、
抜こうとしたとき。


「翔さん…すきぃ…」


って、きゅ、と抱きついてきたから
余計離せなくなる。


「うん…俺も好きだよ」


…だから。


だからこそ、

また離れてしまうんじゃないか…って
心配になるんだ。





「ぁ、────…っ、もう、だめぇ…っ」

「イっていいよ…」


ふっと耳に息を吹き掛ければ
二宮自身から白濁が飛び散る。


「ぁ、あっ…」

「気持ちよかった…?」

「んー…」


未だに熱い二宮自身を
また上下にスライドさせれば

「ぁ、うっ…」

って、小さな呻き声と一緒に
くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえた。


「はあ、ぁ…」

「…まだ、元気だね?」

「だっ、てぇ…翔さんっ、がぁ…っ」

「俺のせい…?」

「ん、ぁっ…翔さんが、
えっちなこと、するからぁっ…」

「…二宮だって、
嫌いじゃないでしょ?」

「そ、だけどぉっ…」


また、二宮が瞳を潤ませて
俺を見つめた。


「も、前ばっか…やだぁ…」

「と、言いますと?」

「っ、…イジワル、」

「意地悪してませーん
…言ってくんなきゃ、わかんないよ…」


二宮の気持ち、
全部知りたいんだ。


「…後ろ、も…して、欲しい…」

「うん、わかった。
でももう今日1回シたから
平気だよね?」

「ぅん、」


ベッドの横の引き出しから、
ローションを取り出して、
二宮の後ろに塗った。


「つめ、たぁっ…」

「あー、ごめん…
あんま余裕ない、」


蕾に触れれば、
するりと呑み込まれていく。





「…あーあ、もう3本だよ?」

「はぁ、あっ、あ、」

「ふふ、気持ちよさそーな顔しちゃって。
えっろいなぁ…」

「んんっあ、翔さんの、せいっ…だもん、」


びく、と大きく跳ねて、
俺を見つめるその瞳は、

期待、欲望、愛──…


全てが交じっていた。

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