甘く、苦く
第73章 磁石 【move on now】session 5
「ぁ、っは、」
ぴくん、と二宮自身が揺れて、
俺の肩に込められる力が強くなる。
「ん、んぁ、」
「気持ちい?」
耳元で聞けばうんうんって
頷く。
その姿が愛おしくて、
いじらしくて。
「…もう、シていい?」
「っは、…うん、」
余裕のなさそうな顔した二宮が
俺を見て笑ってる。
その笑顔が綺麗で、可愛くて。
脆くて華奢な肩を引き寄せ
またキスをした。
「…今日、もうシたから
すぐ入っちゃうね。」
「っん、」
二宮の蕾に先端を当てれば
するりと呑み込んでいく。
「っ、ゴム…っ!」
「してないけど、いいよね…?」
「ぁ、あっ…や、ぁ」
二宮の声を聞く度、
頭が逆上せたみたいにクラクラする。
「やだ、くない…でしょ?」
「あっ、────…っっ」
逃げようと身を捩っているけど
腰を掴んでいるから
逃げられないみたいで。
目の淵に涙を溜めて、
俺を見つめる二宮。
それが綺麗で、
その雫を掬い取った。
「ぁ、あ、も、だめっ…」
あっという間に上り詰めた二宮が
俺の肩をぎゅうっと痛いくらいに掴んで。
俺の腹に生温かいものが
かかった。
「はぁ、あ、…翔さん…気持ち、いい?」
「うん、気持ちいいよ。」
「ぁ、おっきく、なってる…」
「だって二宮が可愛いから、」
「っ、ぁ、あっ…」
下から数回突けばイったばかりの
二宮には刺激が強いのか、
俺の胸元に顔を埋めたまま、
顔を上げなくなってしまった。