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甘く、苦く

第73章 磁石 【move on now】session 5

二宮side



「ぁ!…っ…」


────…だめだ。


もう耐えられそうにない。


「二宮っ…」


優しく握り込まれた自身と、
ぶつかり合う肌。


翔さんの額から汗が零れ落ちて
俺の頬を伝う。


「ぁ、あっ、───…っ」

「二宮、もっ…だめかも…っ」

「はぁ、っ…!!」


もう声なんか出なくて、
荒い呼吸を繰り返すだけ。


ぴくん、ぴくん、と
つま先が動いてるのがわかる。

もう、だめだ。


「も、だめっ、」

「俺も、だからっ…」


さっきよりも一層激しくなる動き。

翔さんの腰遣いに
すぐ持ってかれて。


気付いたら、

もう行為は終わっていた。



「…汗、冷えちゃう前に
シャワー浴びよ?」

「…ん……」


怠い体を持ち上げて、
腰を庇うように歩いてたら、


「ん、」


って手を掴まれて。


「歩けねえんだったら
ちゃんと連れてくから。」

「…うん、」



ふふ、…カッコいいなあ。


首筋から匂う翔さんの汗の匂いと
シャンプーの香りが好きだったりする。


「擽ってぇ…」

「くふふ、」

「なーに笑ってんだよ」

「ふふ、」


だって、

嬉しいんだもん。

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