
甘く、苦く
第74章 お山【miss your voice.】session 1
大野side
学生で賑わうファーストフード店。
特にこの時間は席が埋まってる。
「ニノそれだけ?
少なくね?」
「お前が多いんだよ、ばあか。」
目の前のカップルを見つめ、
ふっと溜め息。
雅紀が心配そうな顔して、
どうした?って聞いてくる。
ニノは言葉には出さないけど、
心配してくれてる。
「…んーん。なんでもないよー。
ちょっと人酔いしただけ。」
「そう?無理しないでね?」
「智、無理しないでね。」
ニノが元気出して。って
ポテトを数本くれる。
…って。
「ニノは食えないのを
押し付けてるだけじゃんかぁ…」
「悪い?」
「いや、悪くないけどさー」
そういうのは雅紀にやれよーって
思いつつ、ありがたく貰っとく。
…だってさ、
翔くんのこと考えてました。
なんて言えないじゃん。
ニノなんて、
「ひとりで話してるじゃん。」
なんておかしなことまで言うし…
…心配に、なるじゃん?
でもきっと翔くんは、
そんなはずない。
おばけなわけないじゃん。
だって、手だって触れられたし、
抱き締めてもらったことだって
あるんだからさ?
おばけなわけ、ないよ。
…でも、もし…
もしそうだったら…
「おーちゃん、やっぱ具合悪い?」
「っへ?」
「…なんか、最近困ってるの?」
「や、違うよ?
んー、なんか周りがうるさくて…」
「もうほとんど人いないけど…
てゆか、お腹すいてない?」
「へ…?」
意識した途端、
きゅるきゅる…と小さくお腹が鳴った。
「や、なんていうかー…
どれから食べようかなーみたいな…?」
「あ、そういうこと?
んー、冷めるとあれだし
ポテトから食べちゃえばー?」
「ん、そーする。」
なんとか雅紀から逃れて、
ポテトをつまむ。
もぐもぐ食べてたら、
ニノと目が合った。
ニノはこっちを目を細めて見てて、
なんだか背筋がぞわっとした。
学生で賑わうファーストフード店。
特にこの時間は席が埋まってる。
「ニノそれだけ?
少なくね?」
「お前が多いんだよ、ばあか。」
目の前のカップルを見つめ、
ふっと溜め息。
雅紀が心配そうな顔して、
どうした?って聞いてくる。
ニノは言葉には出さないけど、
心配してくれてる。
「…んーん。なんでもないよー。
ちょっと人酔いしただけ。」
「そう?無理しないでね?」
「智、無理しないでね。」
ニノが元気出して。って
ポテトを数本くれる。
…って。
「ニノは食えないのを
押し付けてるだけじゃんかぁ…」
「悪い?」
「いや、悪くないけどさー」
そういうのは雅紀にやれよーって
思いつつ、ありがたく貰っとく。
…だってさ、
翔くんのこと考えてました。
なんて言えないじゃん。
ニノなんて、
「ひとりで話してるじゃん。」
なんておかしなことまで言うし…
…心配に、なるじゃん?
でもきっと翔くんは、
そんなはずない。
おばけなわけないじゃん。
だって、手だって触れられたし、
抱き締めてもらったことだって
あるんだからさ?
おばけなわけ、ないよ。
…でも、もし…
もしそうだったら…
「おーちゃん、やっぱ具合悪い?」
「っへ?」
「…なんか、最近困ってるの?」
「や、違うよ?
んー、なんか周りがうるさくて…」
「もうほとんど人いないけど…
てゆか、お腹すいてない?」
「へ…?」
意識した途端、
きゅるきゅる…と小さくお腹が鳴った。
「や、なんていうかー…
どれから食べようかなーみたいな…?」
「あ、そういうこと?
んー、冷めるとあれだし
ポテトから食べちゃえばー?」
「ん、そーする。」
なんとか雅紀から逃れて、
ポテトをつまむ。
もぐもぐ食べてたら、
ニノと目が合った。
ニノはこっちを目を細めて見てて、
なんだか背筋がぞわっとした。
