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甘く、苦く

第76章 末ズ【Please Kiss Me.】






今日はヤケに赤信号に引っかかる。

…ニノといる時間が増えるから、
俺はそれでもいいんだけど。


「潤くん、仕事間に合う?」
「ごめんね、俺のせいで…」
「うわ、時間ギリギリだね」


俺のことを気にかけてくれるから、

もしかしたら…。

なんて、自惚れてしまう。

…ねぇ、ニノ。
どこまで俺を期待させるの?
手を伸ばせば、すぐに届くの?
俺に教えてよ。

「大丈夫。
間に合わせるから。」

「っふふ、さすがMJだね。」

普段は呼ばれないその呼び名。
少しだけドキッとしたのは内緒。

ニノと一日、たった一日だ。
それだけでも俺は舞い上がってる。


もし、仮にだ。
ニノと付き合えたとする。

そうなったら俺、
どうなってしまうんだろう。

…きっと、想像出来ないくらい
だらしなくなってしまう。

ニノが大好きオーラが
これ以上に溢れ出てしまう。

…これ以上に溢れ出てきたら
それはそれで困る。


「潤くん、青だよ。」

「っあ、ほんとだ。」


ニノに促され、
アクセルを踏み込んだ。

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