
甘く、苦く
第76章 末ズ【Please Kiss Me.】
愛おしさを再確認してから、
ニノと他愛もない話を交わす。
それは、仕事のことだったり、
昔話だったり。
あんなことあったよね。とか、
またメンバーで飲みに行きたいね。とか。
そんな、普段と代わり映えのない
話ばかりだった。
でも、それでもだ。
俺は嬉しかった。
ニノと話せてる、それだけで
俺は幸せだった。
好きな人と話せる。
これ以上の幸せはない。
今、最近で一番神様に感謝してる。
ありがとうございます、と。
「この辺でいいよ。」
「ほんと?」
「うん、ちょっとコンビニ寄りたいし。」
「そのカッコで?」
「いんじゃない?」
「アイドルバレよりも
身なりをちゃんとしてった方が…」
「いいのいいの。
じゃあね、潤くん。ありがとう。
また…明後日?かな。」
にこり、とマスク越しでも
わかるほどの、
ニノらしい可愛い笑顔。
だから俺も、精一杯の笑顔を
ニノに返した。
「またね。よく休んで。」
ニノに軽く手を振り、
よし、と意気込む。
ニノにやる気もらったから、
今日一日頑張れそうだ。
