甘く、苦く
第77章 大宮【立ち入り禁止】
そっと軽く触れるだけのキスは、
もう何回もしたから。
少しだけ、深いキスを。
「────っん」
ぴく、と肩が震えたのがわかる。
「っは、」
キスの合間に漏れる大野さんの声が
すげーエロい。
うっすら目を開いてみれば、
必死そうな顔をしている。
大野さんの舌から逃げてみたら、
無理に絡めようとしてきた。
そんなのも、可愛くて。
愛されてると実感できるから、
もう少しだけ意地悪、させて。
「っん、はぁ、」
ちゅ、と音を立ててから唇を離した。
お互い息が上がってて、
口元を拭うタイミングまで一緒。
おかしくなってしまう。
「ふは、やっぱり俺たち、
似たもの同士じゃん。」
「ニノと一緒にしないでよ笑」
また、笑みが零れた。
俺の大好きな人の、大好きな微笑み。