甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
ニノを送り出してから、
よし、と意気込む。
とりあえず部屋の掃除でしょ?
そしたらご馳走も作りたいし…。
あぁ、でも、勝手に掃除なんかしたら
俺怒られちゃうかな。
いや、でもニノのことだから大丈夫。
絶対怒らない。
だって、“大好きな相葉くん”が
掃除してくれるんだから。
……なーんて、自惚れだよね。
「っあ、ニノのヤツ、
またこんなとこにマンガ置きっぱにして〜…」
「あ、服畳んでない…
も〜、だらしないなぁ…」
ぶつふつひとりごとを呟きながらする掃除。
口ではグチグチ言ってても、
頬は緩みっぱなしだ。
わかっている。
ニノのことが好きってことを。
バカみたいに好き。
それは自覚してる。
ニノ依存症と言っても過言ではないくらい、
俺はハマっちゃってる。
何十年も一緒にいても、
わかり切れないことだって
たくさんあるんだけど………
それでも、新しいニノを見つける度、
“よかった”とか“嬉しい”って思えるから、
やっぱり俺はニノがトコトン好きなんだ。