甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
いつもより片付いたリビング。
脱ぎ散らかしていた服はもうない。
…洗濯なんてしちゃってさ。
「………ありがと。」
「ん?」
聞こえてなかったのか、
どうしたの?なんて笑いながら聞く。
……反則。
また、俺が惚れちゃうでしょ?
「……ありがと…って、ゆった…」
顔が熱くなるのがわかる。
それくらい、恥ずかしい。
何も言葉を発しない相葉さん。
恐る恐る上を向いてみたら、
びっくりしたような顔をしてた。
その顔が、おかしくって。
「ぷっ…」
「っ、なに人の顔見て笑ってんの、」
怒ったような口調だけど、
すごい目尻は下がっている。
…ふふ。
俺、大切にされてるんだな。
「あい……まーくん、ありがとう。
大好きだよ。」
こうなったらとことん、
素直になってやるんだから。