甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
相葉さんの好きなところは
たくさんある。
だけど、夏の相葉さんは特別魅力的だ。
太陽が良く似合う、
そんな笑顔の持ち主だからだと思う。
相葉さんが笑ってると、
自然と笑いたくなるんだ。
それに、周りの人も笑顔になってしまう。
少し堅苦しい現場だって、
つい、顔が綻んでしまうんだ。
「にのお〜」
「ん?どうかしました?」
「大事な日なのに、
付き合わせちゃってごめんね?」
「……っ、」
誕生日、と言わなかったのは、
敢えてなんだろうか。
「大丈夫、だよ。
俺だって、まー、くんといるの…
好きでいるんだから…」
恥ずかしくて、顔を見れない。
だって俺、相葉さんの顔みたら
ちゅーしちゃいそうなんだもん。
「………ニノ、」
「な……っん、ふ…」
声の方に顔を上げた瞬間、
両頬を相葉さんの両手で包み込まれ
熱い唇が触れた。
一度や二度の軽いキスだと思いきや、
ぐいっと強引に舌を割り込んできた。
「……っふ…ぅ」
溶けちゃいそうなくらい、
熱くて濃厚なキス。
重なった手も、相葉さんの体温で
溶けてしまいそうだ。