甘く、苦く
第78章 にのあい【Shine.】
熱いキスを受けて、
思い切り抱き締められる。
…車の中だし、誰にも見られてないはず。
……いいや。もう。
恥じらいなんか捨てて、
このままの雰囲気に流されちゃおう。
「……まーくん、」
「…ん?」
「早く、帰ろ……?」
「…え……っ…」
俺の言葉の意味を理解したあと、
顔を真っ赤にさせて俺から体を離した。
未だに腕に残る相葉さんの体温と、
柔軟剤の匂い。
お互い、無言のまま家に帰る。
だって、今目を合わせたら、
その気になっちゃいそうなんだもん。