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甘く、苦く

第79章 櫻葉【glow.】

櫻井side



今度は茶化さないで伝えよう。

『俺はお前のことが好きだ』って。


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「雅紀は俺にとって空気みたいなもんなの。」

「なにそれー笑」



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言葉の裏側なんて読んだりしない人だから。
…少しは考えて欲しいんだけどね。

そういうことを、察するって
言うんだと思う。


存在感、とかじゃなくて、
なくてはならないものだから。


…傍にいて。

­­­…辿り着くまで。

­­­­­­
今夜だけ…今夜だけ。

囁いて、魔法が溶けてしまう前に。


「わ、すごい綺麗だね。」

「だろ?」


暗闇のせいで雅紀の顔はよくわからないけど、
心做しか、切なそうな顔をしている気がした。

…気がしただけなのに、
どうも不安になってしまう。


離れて、いかないで。

俺から離れないでくれ。


消え入りそうな雅紀の腕を引き、
胸の中に収めた。

「えっ。ちょ、翔ちゃんっ…
誰かいたらどーすんのっ…!」


慌てたような、切羽詰まった声。

そんな雅紀の声を無視して、
唇を重ねた。


「んむっ…」


大丈夫。

離れてなんて、いかない。

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