甘く、苦く
第80章 にのあい【愛 think so.】
「はっ、…ひぁ、」
「何可愛い声出してんの。」
ニノの少し歪んだ顔が好き。
いつもの強気な態度とは打って変わって、
快楽に流された顔が好き。
「んゃ、まー、くんっ…」
「やじゃないでしょ。
だって、ニノから誘ったんだもん。」
「ひゃぁっ…」
ニノを組み敷いて、
ろくに解さないで先だけ当てた。
びく、と肩を震わせて、
うっすらと口を開けたニノ。
今度は何を言い出すかと思えば、
「…まーくんの、あっつい……」
なんて、
余裕そうな顔で言うんだ。
「っ……もう、そんなのどこで知ったのっ」
こっちは抑えるのに精一杯だってのに、
どこにそんな余裕が作れるんだよ。
俺の判断も思考も全部、
ニノに見透かされてんの?
「…悪い子には、お仕置きしなきゃね…」
「…?………っあ、」
ニノの腰を持って、
俺の方へ引き寄せた。
「ほら、ニノ、入っちゃうよ。
…わかる?」
「ぁ、あっ…」
あんなに余裕そうな顔で
俺を惑わしていたくせに、
いざ本番に入ればこんな可愛くなる。
顔を真っ赤にさせて、
両腕で顔を隠そうとしてる。
だけども、唇だけが隠れていなくて、
余計に興奮を掻き立てる。
「…だーめ。
顔隠したら、意味無いよ。」
「やっ、まーくんっ…」
「…俺のお願い、聞いてくれる?」
「っ……」
ニノを優しく見下ろして、
ちゅっとキスをした。
「…わかるでしょ、それくらい…。
俺はニノだけなんだから、
心配させちゃってごめんね。」