甘く、苦く
第80章 にのあい【愛 think so.】
「まー、く…」
目の淵に溜まっていた涙が、
とうとう溢れ出した。
「…ごめん、俺っ…
俺の知ってるまーくんが、
いなくなりそうでっ…
それで、怖くて…」
震える体をそっと引き寄せて、
また、キスをした。
「ねぇ、まーくん、お願い…。
俺からいなくなんないでっ…」
「…いなくなるもなにも、
俺はニノのだよ。
ニノの好きにしてよ。」
ニノの腰を持って
ゆっくりと抽送する。
その度に、声を押し殺して
顔を真っ赤にさせる姿は、
本当に本当に、愛らしくて。
声聞かせるの、恥ずかしいって
随分前に言ってたな。
……でも俺、ニノの声
今すごく聞きたい気分だから、
ちょっと意地悪しちゃお。
「ね、ニノ、俺のこと好き?」
「っ、ぁ、あっ…すき、すきぃっ…」
「どれくらい?」
「んっ。…すごい、すきっ」
「すごいって、なに?」
「…も、言わせないでっ…」
わかってるくせに、だなんて
小さく呟いてから
ジト目でこっちを見て、
「あいしてる、ってこと…。」