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甘く、苦く

第80章 にのあい【愛 think so.】






「もー、狡い…。」

「え?なんて?」

「…なんでもないよ。」


にへら、とまーくんに向かって微笑み、
腕に力を込めた。


「もー、なぁに?
超気になるんだけど。」

「ふふ、秘密。」


えー、なんて口を尖らせてつつ
俺をぎゅっと抱き締めるまーくん。


このままずっと、
こうしていたいな。

なんてね。


それは無理だけどやっぱり、
こういう時間は大切なんだなって今更実感する。

そうじゃなきゃ、
俺の我慢が限界を超えちゃうし、
まーくんもまーくんで
どっかのネジ外れちゃうんじゃないのかな。

…なんて自惚れながら、
まーくんの胸の中でこう呟いた。


「…好きになって、よかった…」


まーくんが俺のこと好きだって
言ってくれた時は、
冗談半分でしょってバカにしてた。

でも、全然違くて、
あんなカッコいいまーくんを見たのは
初めてに近いかもしれない。


…あぁ、もう。

こんな俺を、好きになってくれる
まーくんってどんだけ優しいんだろ。

惚れ直すんだけど。

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