
甘く、苦く
第81章 お山【Now I'm ready.】
「…ん?」
「…くっついててもいい?」
布団に入って来た瞬間に、
俺にくっついてきた智くん。
いつもなら、
「おやすみぃ」
って言ってから秒で寝るのに。
…今日は、違うんだ。
少し嬉しい、いや、かなり…
「…暑い?」
「そ、そんなことないよ。」
「そっか、よかった。」
今日の智くんは、
やっぱりどこか積極的だ。
…あと、可愛すぎる。
背中にぴったりくっついてきたり、
無理に呼吸を合わせてきたり。
…これに欲情しない男がどこにいる?
「…智くんっ…!」
「わっ、ど、どうし…」
ぁっ、と小さく声を上げ、
俺の胸の中に収まった。
「…ねぇ、いい…?」
「いい、って…何、が…」
「…バカ。わかってるくせに…」
智くんへ目配せして、
そっと智くんの頬に触れた。
それから、甘い口付けをして
いつもより優しく押し倒した。
「…やぁ、しょおくんっ…っだめ…」
