
甘く、苦く
第81章 お山【Now I'm ready.】
「…いい汗かいた…」
事に及んだあとの、甘ったるい時間。
ホットケーキに蜂蜜かけて
生クリームつけて…って、
それパンケーキか…笑
それくらい、甘い甘い一時。
智くんはというと
肩を上下にさせて俺を睨んでる。
「…しょぉくんのえっち…」
なんて、ずっと言ってる。
「…可愛い智くんが悪い。」
無防備で、無作為で、無自覚で。
全部、智くんのせい。
「……知らない。
もぉ〜っとにかく、えっち!」
枕を投げてきて、
起こったフリしてる。
「…あぁーあ、じゃあ俺、
一人寂しく風呂入ってくるよ」
寝室から出ようとドアノブに
手をかけたその時。
──空気が動いた。
「なに、どうしたの?」
「…やだ、翔くんの意地悪。
嫌い。そういう所ほんとに嫌い。
…でも好き。」
ぎゅーってきつく抱き締められて、
甘い甘い言葉をふりかけられて、
俺、恥ずかしくて蒸発しそうだわ。
