
甘く、苦く
第82章 末ズ【Omens of love.】
「もうっ、潤くんっ…」
まだ素直じゃないんだ。
俺を少し睨んで、
背中を向けてしまった。
「和、ねえったら…」
和にちょっかいを出していたら、
「…もう、そういうのはあとで…」
なんて、さっきよりも赤い顔で言うんだ。
きっと、自惚れじゃない。
だって和は、
未だに俺の服の裾を掴んでるから。
「…うん、わかった。
じゃあ、夜ね?」
「…ふふ、変態。」
嬉しそうな顔してる。
和のその顔、好きだよ。
ずっと笑っていて欲しいけど、
すぐにヤキモチ妬くし、
すぐに泣いちゃうし。
そんなコロコロ変わる表情も
俺は好きなんだけど。
でもやっぱり、
和には笑ってて欲しい。
嬉しそうな顔が一番似合ってる。
ゲームしてるときに頻繁に
変わる表情も観察してると面白い。
甘えてるときに見せる、
眉を下げた顔も好き。
でも俺は、一番和の唇が好きだ。
柔らかくて、甘い。
「…潤くん、なんか食べよ。」
「ん、わかった。
冷蔵庫にあるの適当に使っちゃっていい?」
「俺も手伝う。」
「和、すぐ飽きるじゃん笑」
「潤くんがいればヘーキヘーキ。」
潤くんと料理するの好きなんだもん。
なんて、そんな可愛い顔で言うのは反則だ。
