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甘く、苦く

第82章 末ズ【Omens of love.】




濁した俺の言葉に、
和も

「ふぅん…」

なんて、曖昧な返事。
俺も曖昧だったけど。


やっぱり、どうしても、
鎖骨に目がいく。

妙に色っぽくて、白い肌。
酔っているせいか、
ほんのりピンクに染まり始めた。


「…和、」

「…ん?」


長い長い沈黙のあと、


「……なんでもない。」


…なんて、カッコ悪ぃ。


「…うん、」


そろそろと手を伸ばして、
和の指に触れた。


「っ…潤くん、」


指先に熱が集まって、
熱くて熱くて堪らない。


「…手、繋いでていい?」


宅飲みで隣に座って
手を繋いでるってどんな絵面だ。

見たことねぇよ。


「…うん、」


遠慮がちに俺の指に絡んだ和の指。

どっちがどっちのとかわからないくらい、
二人とも熱かった。


「…潤くん、」

「ん?」


いつもより少しだけ俺の名前を
ゆっくり、高い声で呼ぶ。


「ぎゅってしても、いい…?」


言い終わる前に、
和の腕が伸びてきた。

それを受け止めて、
すっぽりと包み込んだ。


「…ねぇ、潤くん…俺、もう…」


熱い吐息が、首筋を撫でた。


「…我慢、出来ないかも…」


……そんな顔されたら、
俺だって我慢出来ない。

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