
甘く、苦く
第82章 末ズ【Omens of love.】
ありがとう、って
何度も言ってくれる和。
ありがとうは、こっちのセリフだ。
いつも傍で笑ってくれたのは、和で、
辛い時にも傍にいてくれた。
俺のことをいつも中心に考えてくれる
和が俺は好きだ。
だからこれからも、
俺の隣にずっといて欲しい。
「…結婚、しよう。和…。」
泣かないで、ほら。
顔上げてよ。
「っ〜…はいっ…!」
嬉しそうに涙を拭ってから
俺の大好きな笑顔で。
「これからも、お願いしますっ…」
「…うん、こちらこそ。」
だからもう、迷わない。
これからも、ずっと一緒にいたいから。
「…愛してるよ、和。
ずっとずっと、傍にいてくれ…」
「うん、ずっと一緒だよ。」
和の温もりが、響く声が、匂いが。
全部好きで、全部大切だ。
そっと抱き寄せて、
優しく口付けをした。
「…潤くん、」
「ん?」
お風呂上がり、少し頬を染めた和が
俺のパジャマの裾を持って
見つめてきた。
「んー?」
「…一緒に、寝よ。」
「…うん、寝よっか。」
今日は、しない。
今日はいちゃいちゃするだけの日。
「んーふふ、ふかふか。」
「だね。…和、」
そっと和の頬に手を添えて、
見つめた。
潤んだ瞳は俺だけしか映っていなくて、
綺麗なガラス玉のようだった。
あぁ、好きだ。
何度もそう確かめるように、
和に口付けをした。
