甘く、苦く
第91章 モデルズ【思うがままに】
「おはよー」
その声が聞こえた瞬間、
思いっきりドアの方を見てしまった。
ぐりんと首を回しすぎて、痛い。
「松潤今日遅かったね」
「あー、ちょっと寝坊した」
そんなの、声だけでもわかるよ。
だってまだ、寝ぼけてるもん。
そんなのきっと、俺しか知らない。
俺だけの特権。
「まぁーた相葉さん、笑ってる」
にのに指摘されて、
思わず自分の顔を触ってしまった。
指先に触れた頬がじんわりと熱かった。
「この人ね、もう潤くんのことしか
考えられないんですって」
悪戯っぽく笑うにの。
「ちょ、誰もそこまで…」
「へえ、そうなんだ」
「あ、まつづん嬉しそう」
「言えてないよ、リーダー」
俺の隣に、少し間をあけて座る。
そして、ぐっと距離を詰めて。
「今日も俺んちくる?」
甘ったるくて、低い声が響いた。
急すぎる言葉に、顔に熱が集まる。
「あ、潤くん!
相葉さんにえっちなこといったでしょ!」
にのに言われて、
隣の潤は違う違うと楽しそうだ。
やっばい…
俺、期待しちゃってんじゃん。