甘く、苦く
第19章 HAPPY BIRTHDAY SATOSHI ♪
「まーくんっ!
えへへ、んふふ、大好き♪」
まーくんの隣のから離れずにくっついてる俺。
「ふふ、俺も。大好きだから。
ね、和くん、キス…しよっか…?」
「えっ?!き、キス…」
ドラマの撮影とかと違って、
好きな人とするって、なんだか恥ずかしいな…
「いや、でもそんなに急がなくてもいいんじゃないですか?
俺、逃げないし、まーくんも逃げないでしょ?だから…」
「今じゃなきゃ嫌っ!」
子供みたいに駄々を捏ねるまーくん。
その姿がなんだか、かわいくって、
思わず、笑ってしまった。
「笑うなよぉ…
和くんがしてくれないなら、俺がしちゃうよ?」
「えー?なぁに言ってんの?俺、お風呂入ってくるね~♪」
「あぁぁぁ!逃げたなっ!」
キスは、お預け。
俺の心臓がもたないんだもん。
「ねぇ、和くん…」
「なぁに?」
ドアからちらっと顔を出すまーくん。
「きょぉ…一緒に…寝ませんか…?」
そんなことだろうと思った。
「いいよ…?
そのかわり、布団、あっためといて?」
「やったぁ!はーい!」
寝室のドアが勢いよく開く音と、
どたっとまーくんが転んだ音がした。
ふふ、もう、慌てん坊なんだから。
「ふわぁぁぁ…
まーくん…?どーこ?」
寝室には誰もいない。
布団、あっためといてって言ったのにぃ…
「まーくん?
どーこ?まーぁーくーんー?」
まーくんはキッチンにいた。
「あ、和くんお風呂上がったんだ!
ごめんねー、麦茶飲んでた。」
へらへらっと笑うまーくん。
「布団、あっためといてくれた?」
「うんっ!大丈夫だよー!」
まーくんに、寝室まで抱っこしてもらった。
「ふぃー…
翔ちゃんたち、今頃何してるのかなぁ…」
「えー?しちゃってるんじゃない?」
ふふ、だよね。
あの二人はラブラブだから。
俺は、まだ怖くてできないや…
まーくんと、ヤりたい願望はあるけど、 怖いから。
「和くん、キス…しよっか…?」
「いや、やだ、だめ。
今日はもう寝るの。……恥ずかしくて、できないもん…」
俺がまーくんに背を向けて寝ると
まーくんは、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「ふふ、まーくん、あったかいね。」
「うん…キスは、明日ね…?」
「うん。約束する。」
俺はまーくんの方を向いて、
まーくんを抱き締めた。