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甘く、苦く

第21章 磁石【甘えてよ。】

櫻井side


ひやっとした感覚で
目が覚めた。


えっと…ニノとして、
それで、どうなったんだ…?

ワケがわからない。


見慣れた後ろ姿を、見かけ、
声を掛ける。


「ニノ…」
「はわわ!しょ、翔ちゃんかぁ
起きたの?ごめんね?ほんとーに!」


ソファーの上で土下座かよ。

思わず、つっ込みそうになった。


てか、リーダーたちは?

今、何時?


聞きたいことは
たくさんあった。



「ニノ、えーっと、
リーダーたちは?」
「はい?今日は二人だけの
撮影ですよ?」


そうだったっけ?

もう、全然覚えてない。


「えーっと、じゃあ
ここはどこ?」
「なに記憶喪失みたいなこと
言ってるんですかぁ?楽屋です!
が・く・や!!」


楽屋か。


てことは、まだ撮影してない。

だから、まあ、よしとするか。



「てかさぁ…楽屋でするとか
やめてほしかったわ。腰、
めっちゃ痛いんですけど。」
「しょーがないじゃないですかぁ!
翔ちゃんが昨日ヤらせてくれなかったから
こうなったんですよ?!」


なんで俺はニノに怒られてんだよ。笑

あー、もう。ほんとにニノはぁ…



「ばか…」
「はいー?!」
「ゲームばか。」
「はーいー?!」


ニノが俺の肩を掴み
揺さぶる。


「ちょ、やめろって…」
「むぅぅぅ…許しません!
もー、ばか!!」


俺はぷりぷりしているニノに
キスをした。



「…へ?え!えええ?!」


ずざざっと後ろに下がるニノ。



「え?笑
キスしちゃだめだった?」
「い、いえ!welcomeです!」


ニノが、ぎゅっと抱き付く。


「あと…」
「ん?」


ニノが、俺の耳元で
こしょこしょっと喋る。


"夜もしようね?"


「はぁ?!どんだけすれば
気が済むんだよ!」
「むふ、ごめんね?
夜もしようね~。」


ニノはヘラヘラっと笑い、
楽屋を出ていった。


俺もニノを追って、
楽屋を出た。

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