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甘く、苦く

第28章 翔潤【Merry Christmas】

櫻井side



「翔さんっ…!」


潤が勢いよく玄関のドアを開けたから、
俺はドアに頭を打った。


「いってぇ…」
「あ、あれ……?
翔さん、出掛けちゃったと思った…」


……コイツ、ばかじゃね?


置いてくわけ、ないだろ?


「ごめん。ちょっと、意地悪した。
出掛けるフリすれば潤が追ってくれると思った…」
「ばかばかっ、すっごい、心配したんだよ!?」


……潤が勝手に籠ったくせに。

まあ、そんなところも、愛おしいし、大好きで。


「潤、俺が悪かった。
ごめんな……こんな時間じゃ、もう、
イルミネーション、終わっちゃったよな…」
「いい…翔さんと過ごせれば、いいもん…
取りあえず、家の中に入ろ?寒いよね?」


潤が俺の手を引いて、家の中に入れる。

そしたら、ぎゅーっとくっついてきた。


「……潤…?」
「我儘言って、ごめんなさい……
もう、我儘、言わないから。
どこにも、行かないで…?」


……潤、お前、ほんとに…


「好きだっ!」
「ぐっ…いたぁ…」


潤を思いっきり抱き締めた。

潤はやめてよって言いながらも、
すごく、笑顔だった。

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