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甘く、苦く

第32章 モデルズ【嫉妬】

二宮side


はあ、まったくこの人は…


泣いたと思ったらすぐ寝ちゃってさ。


俺は片付け係ですか?
もー、ほんといつも寝ちゃうんだから…



「相葉さん、ここで寝たら
風邪引きますよー?」


相葉さんの体を揺すぶってみるけど、
なにも返ってこない。


まじで勘弁してくれよ…


相葉さんを持ち上げて、
寝室へ向かう。


……この人、また軽くなってる…

ちゃんと食べてるのかな…


「こんなに痩せちゃってさ…
どうしたんだよ…」


相葉さんに薄い毛布を掛けて、
寝室の電気を消す。


……潤くんに連絡しておいた方が
いいよね。


警察とかに捜索願いとか出しそうだもん。あの人。


相葉さんのこと溺愛してるからね。


「もしもし?潤くん?」
「和!?雅紀そっちにいない!?」


ほら、心配症でしょ?


「いますよ。でも今は寝てます。」
「え!?今から迎えに行ってもいい!?」
「……それはだめです。
相葉さん、今潤くんに会っても
パニック状態になるだけですよ。」
「……。」


当たり前じゃないか。


あんなに嫉妬してる相葉さんを見るの、
俺だって、初めてに等しいんだからね?


「わかった。
明日の午後、迎えに行く…」
「てか、明日は翔さんと飲むんでしょ?
じゃあだめなんじゃ?」
「いや、今日飲んできたから……」


ふーん。
わざわざずらしたんだ。


相葉さん、あなたは愛されてるんですよ。
自覚、ないですよね。


「じゃ、そういうことだから。
あ、雅紀に手ぇ出すなよ。」
「出しませんよ。じゃ。」


……相葉さん、愛されてて
よかったですね。

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