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甘く、苦く

第33章 お山【やっぱりさ】 session 1

大野side


「……はぁ…」



広いリビングで一人。


机に突っ伏す俺。


大好きな釣りのことだって
もう考えられない。


考えていることは一つ。
翔ちゃんとの仲直りの仕方。




「ただいま…」
「っ…翔ちゃんっ」


俺は玄関にいる
翔ちゃんに抱き付いた。


「さとっさん!?」
「翔ちゃん…
ごめん、なさいっ」


気付けば涙が出ていた。


翔ちゃんが優しく抱き締めてくれた。


それが、温かくて、また
涙が出てきた。


「さとっさん、ごめん…
俺が幼稚だった…」
「っ、んーんっ!
俺が年上の癖に、
気遣ってやれなかったから…」



翔ちゃんが「泣き虫だな」って
笑って、優しくキスをしてくれた。


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