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甘く、苦く

第36章 天然【anniversary】

大野side


今日は俺たちが付き合い始めて
五年目の記念日。


だから、雅紀が喜ぶと思って
いつもはだらだらしてる俺が
部屋掃除したり雅紀と朝からしたり。



「おーちゃん、行くってどこに?」

「どこだと思う?」

「…温泉?」

「なんで?」

「おーちゃんが好きそうだから?」

「なんだその理由笑」


雅紀がケラケラ笑う。


…かーわいい。


「今日はね、水族館に
行きたいな、って。」

「あ、お魚?おーちゃん好きだもんね。」


だから、俺が好きとかじゃなくてさ、
雅紀が好きだから、だから、水族館にしたんだよ?



「ふふ、おーちゃんってそういうところも
行くんだね~、初耳~」

「はは、逆にどこ行くと思う? 」

「え、家から一歩も出なさそう」

「当り~」


いつもなら、家でまったりしたい。


今日は特別だから、ね?


「え、ここ?」

「そうだよ。イルカショー見たい?
思いっきり水かかろっか?笑」

「へへ、そうする?」

「嘘だよ!車乗れないじゃん!」

「あ、そっか」


雅紀は天然なんだかばかなんだか。


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