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甘く、苦く

第38章 お山【どんなときも】session 2

櫻井side



さとっさんのふにゃっとした
笑顔はかわいい。


あんな笑顔を向けられたら、
誰でも嬉しくなるに決まってる。



「翔ちゃん、寝癖ついてるよ」

「え、どこ?」

「ここー」



そう言ってさとっさんが
俺の髪を撫でる。


ちょっと背伸びして。



「ありがと」

「ふふ、かっこいい翔ちゃんだ」



さとっさんが先を歩く。


……かーわいい。


スマホのストラップが
ポケットから出て揺れてるし。



「さとっさん」

「んー?」

「手、繋いでいこ?」

「うん…///」



顔を赤くして俺の手を握るさとっさん。


…女子じゃん。


うーわー、もう、人いなかったら
思いっきり抱き締めてるわ。



「ふふ、嵐さんは仲が良いですね」

「いやぁ、うちのリーダー、
手を繋いでないとどっか行っちゃって」

「ふふ、そうなんですか?」



…仲が良いとは違う。


違った仲の良さ。


さとっさんは唇を尖らせて
「どっか行かないし…」って
ぶつぶつ言ってる。


かわいい。


なんかさ、言動がいちいち
女子っぽくて、けど、女子より
面倒臭くないんだよな。



「おはよー」

「「おはよー」」


相葉くんはまだきてなかった。


ニノと松潤が二人でなんかしてたんだけど、
慌てて離れてた。


…?


あ、まさか、二人…




「付き合ってんの?」

「「「は…? 」」」



俺が言おうとしたことを
さとっさんが先に言った。



二人の顔は赤くなっていく。


…あー、付き合ってましたか。



「幻滅しない…?」


ニノが潤んだ瞳で
言ってきた。



「するわけないじゃん。
俺たちも付き合ってるし」


俺がそう言ったらさとっさんが
ニノの隣にいって、「そうだよ」って
優しく微笑んだ。


松潤も安心した顔してた。



「そう言えば、あのばかは?」

「「「あ…」」」



忘れてた。


…相葉くん、全然来ないじゃん。


俺たちが座って待ってたら、
相葉くんが慌てて入ってきた。



「ごめん!遅れたぁ」

「遅れたぁ、じゃねぇよ!
あいばか!寝坊しすぎ!」

「え、えぇー!?
寝坊じゃないよ!
道が混んでたのー!」


相葉くんがニノに向かって
ぶーぶー言う。

はは、喧嘩はだめだよな。

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