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甘く、苦く

第38章 お山【どんなときも】session 2

櫻井side



さとっさんはやっぱり言ってきた。


『理由がわからないから謝っても意味がない。』



たしかにそうだなって思った。


今回は理由がわかったから。


俺、相葉くんとばっかり喋ったしつるんでた。

さとっさんに無視されたから
俺も無視すりゃいいって思ってた。


けど、それじゃさとっさんと気まずいし、
こんなことで離婚…とか嫌だから。


だって、好きなんだもん。愛してるんだもん。



「翔ちゃん、今日は何食べたい?」

「え?作ってくれんの?

んー、じゃあねぇ、グラタンが食べたいな。
最近寒いし。」

「…じゃ、スーパー寄っててね」

「ラジャー」



さとっさんはスーパーに着くと、
材料を十分くらいで集めてた。


…早くね?


そんなに急がなくたっていいのに。



「ふふ、今日はねー、翔ちゃんが好きな
貝を入れたグラタンだよ♪」

「まじ?めっちゃ嬉しいわ」


さとっさんがふふって笑う。


かわいい…。



「翔ちゃん、ちゃんと手洗ってね」

「ほーい」



さとっさん、こーゆーところだけ
細かいんだよな笑


さとっさんは俺が新聞を読んでるうちに
美味しそうなグラタンを作った。



「うまそ」

「うまそうじゃないんだよ。
うまいんだよ?」



…その自信はどこから出てくるんだか。


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