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甘く、苦く

第38章 お山【どんなときも】session 2

大野side




「ん、うまっ」

「でしょ?
俺天才だから」



俺が勝ち誇ったように
ふふっと笑うと翔ちゃんが
悔しそうに笑った。


…この空間、大好き。



「貝うめぇ」

「ふふ、翔ちゃんが好きなもの
いれたんだもん」



シーフードグラタン。

結構時間がかかっちゃった。

でも、翔ちゃんは優しいから
ずーっと待っててくれた。



「ごちそーさま」

「はーい、お風呂入ってきなぁ」

「あーい」



翔ちゃんが着替えを持って
お風呂場に向かう。


…一緒に入りたかったな。


なーんて、今頃遅い。


俺が食器を洗ってたら、
翔ちゃんがお風呂場から出てきた。



「さとっさん、一緒に入んねぇ?」

「え?」



今、一緒にって言った?


俺がぽかんとしてると
翔ちゃんが「だめ?」って
潤んだ瞳で聞いてきた。



…だめなわけない。



「着替え、持ってくるね
待ってて。」



俺が部屋に着替えを取りに行くと
翔ちゃんが俺を抱き締めた。



「…翔ちゃん?」

「抱き締めたくなっただけー」

「…俺、臭いよ?」

「全然、むしろいい匂い」


翔ちゃんが頬っぺたをスリスリ
してくるからくすぐったくて
笑っちゃった。

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