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甘く、苦く

第40章 翔ちゃん happy birthday ♪

相葉side





「翔ちゃんっ!
あれ乗ろ…あれ?」





後ろを見たら、
翔ちゃんがいない。



やばい。


俺、手を離しちゃった。



翔ちゃんがあれだけ
「離すな」って言ったのに…。




「…どうしよ。
てことは、俺も迷子?」




こんなときに限って
スマホの電源も切れてる。



なんでー!?



あー!もう。

ついてないったらありゃしない。




「翔ちゃーん…」




俺の声は虚しく空に消えるだけ。



広くて、青い空に。





迷子センターに行ったら
絶対バレちゃうもん。




俺が手を離さなかったら…



こんなことにはならなかったのに。





「翔ちゃん、どこー?」




いろんなところを見た。



けど、翔ちゃんの姿はなくて。




「…どうしようかなぁ。」




こういうときは、
動かない方がいいよね。



どっちも動いたら
面倒臭いことになるから。



…見つかるといいな。



てか、翔ちゃんの
誕生日になにやってんだろ。


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