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甘く、苦く

第40章 翔ちゃん happy birthday ♪

櫻井side





俺が出口付近の
ベンチに座ってたら、
雅紀がちらっと見えた。




…いた。



追いかけようと思ったけど、
それはソックリさんで。




雅紀はどこにいるのかな。


スマホの電源、
切ってるぽいし。



「…探すか……」





ベンチから立って
園内を見渡す。




こんな広いところ、
見つかるかな。



あー、誕生日なのに
こんな重労働、ついてねぇな。




「…雅紀ー」




名前を呼んでみるけど、
まあ、見つからないわけで。



ったく、いい歳した大人が
迷子とか、恥ずかしすぎんだろ。





……公衆電話。



そうだ!それだ!!



って、言っても雅紀は
スマホの電源切ってるからだめか…



雅紀、公衆電話を見つけてくれ!!


そう願うだけの俺。




「…ちゃーん、翔……」




…この声、どこかで……





振り返ってみたら、
さらさらと揺れる茶色の髪。



あれは、まさか……



俺が追いかけたら、
そこには、愛しの恋人。

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