甘く、苦く
第42章 磁石【先生と俺】
「なんてな」
「へ?」
櫻井先生の手の動きが止まって
覆い被さっていた重みが消える。
「俺がガキの性処理なんてするかよ
自分の手でしてろ」
「な、だ、騙したの!?」
「はあ?騙してなんてねぇよ」
櫻井先生はそれだけ言って
保健室を出ていった。
…なにそれ。
俺が子供みたいじゃんか。
…どうしたら追い付けるのかな。
やっぱり、好き嫌いしちゃダメかな。
ハンバーグ好きとか、子供っぽいのかな。
「…バカ…」
これで櫻井先生を嫌いになれたら
ラクなのに。
一度好きになったら嫌いになる方が
難しいよ。
…全然、わかんないよ。
テスト以上に。
中途半端にされて体が疼く。
俺の息子さんは起きてきてるし。
「はぁ、一人でするしかない、よな…」
ズボンに手を伸ばして
ゆっくりと下げる。
半勃ちのソレをゆるゆると扱う。
「んぁ、せんせ…」
先生をオカズにしてるっていう
少しの罪悪感が刺激になる。
これを先生にしてもらえたら、
とか思ってたら先走りが出てきた。
そろそろ限界だって思って
手の速度を速める。
「ぁっ、せんせ、イっちゃ…」
びくっと脈を打って
俺から出た白濁液。
…これをどうしろって言うんだよ…。
学校で、しかも、先生のことを思いながら
なんて、罪悪感の塊でしかない。
…けど、これもいいかも。
保健室で手を洗って
ベッドに潜り込む。
誰かが俺の名前を呼んでた気がするけど
まあいっか……。