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甘く、苦く

第42章 磁石【先生と俺】




まあ、先生との関係は
あんまり変わらなかった。


毎日保健室に通ってたし、
特別なことはしなかった。


普通のカップルだと思うよ?
俺は。


…先生のとなりにいれたら
それでいいと思ってるから。


特に不満とかなかったし。



キスだけで十分だったんだ。



俺は。




けど、先生は違うみたい。



「だからさ…お前はしたいと思わねぇの?」

「思わないよ。別に大丈夫だけど…?」



思春期とかそういう問題以前に
男同士って痛いんでしょ?


痛いことはしたくないもん。



「俺は!したいの!」

「…本当?」

「こんなことで嘘つくかよ!」

「…嬉しい」



…それだけ俺のことが好きってこと?


なんて、都合のいいこと考えてみる。



でも、嬉しいのは本当。


先生が俺としたいって
愛し合いたいってことだもんね。



「ふへへへ…」

「なんだよ急に」

「じゃあさ、あのときの続きしよ?
ほら、大人の世界ってやつに
連れてってくれるんでしょ?」

「…お望みなら」




先生はそう言って俺をベッドに
押し倒した。



なんだか胸が高鳴って
苦しかった。

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