甘く、苦く
第42章 磁石【先生と俺】
「っせんせ…」
瞳を潤ませて
俺を見上げる和也。
無意識にそういうこと
するんだよな。
「…変になってもいいから。
どんな和也も好きだから」
「ほんと?」
和也は俺の白衣の裾を
きゅっと握った。
…どんな和也でも、
好きだから…。
「あぁ、どんなお前でも
俺は愛してるから……。」
「…なら、続き、しよ?」
和也は俺にちゅっと
キスをして、ベッドに横になる。
…ほら、かわいいだろ?
俺だけの和也。
誰にも渡さない、
渡せないんだ。
漸く叶った恋だから。
…二人で歩いていこう。
ゆっくり。