甘く、苦く
第45章 にのあい【現在進行形】
「翔ちゃん…うぅぅ…」
「今日は付き合うからさ」
ぽんっと背中を叩かれた。
その優しさが今の俺には辛すぎて。
優しくされると
余計辛くて。
涙が出そうになるのを
なんとかこらえた。
「…まー、にのも色々あんだろ?
疲れだよ疲れ。」
「そうかな…」
なら明日は、
ゆっくりお話ししたいな。
けど、今は……
翔ちゃんとお話ししてたいな。
「……翔ちゃん、
こんなこと言ったら困る?」
「言われてねぇし笑」
俺は笑ってる翔ちゃんに
優しく唇を重ね合わせた。
翔ちゃんは一瞬体を
びくっと動かしたけど、
それからはもう、抵抗しなかった。
「ちょ、相葉く……っ」
「ね、翔ちゃん、好き。」
俺がポロポロと涙を溢しながら
言ったら、伝わったのか、
頭をぽんぽんっとしてくれた。
それが嬉しくて、
俺は翔ちゃんに抱きついた。
「翔ちゃん、好き。」
「…うん」
翔ちゃんの顔は
なんか曇ってる。
けど、俺は翔ちゃんと付き合えたことの
嬉しさで、そんなの気にしてなかったんだ。