甘く、苦く
第45章 にのあい【現在進行形】
にのは寝室に入ると
すぐに布団に潜り込んだ。
「ふかふかー♪」
「洗濯したもん」
「おじさんうるさあい」
にのはケラケラと笑う。
「あ、枕俺の~」
「おじさんはなんでもいいでしょ」
一つしかない枕を
にのと奪い合ってたら、
なんかわかんないけど
俺が枕使ってにのに腕枕してた。
かわいらしい寝息を立てながら
眠ってるにの。
まだ少し、涙の跡が残っている。
俺はその涙の跡を
優しく撫でた。
にのの顔が一瞬ぴくっと動いて
握ってた手に力が入った。
「…可哀想」
可哀想、何て言われても
嬉しくないだろうけど。
こんなに純粋なにのの気持ちを
踏み捻った相葉くんが許せない。
なんでにのが苦しんで
相葉くんが幸せなの?
「好きな人が幸せならそれでいい」
いつかにのが言っていた言葉。
…違うでしょ?
「好きな人"と"幸せならそれでいい」
好きな人と、じゃないきゃ
楽しくないでしょ?
相葉くんに対しての
怒りが沸々と沸いてきて。
…明日、蹴りをつけよう、
とか思ったまま、眠りについた。