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俺が夜道を歩いてたら、
数十メートル先のカップルが
店から出てきた。



女の方は怒ってるらしい。



男の方は女の機嫌を取ってる。



女に頭を下げるなんて、
馬鹿馬鹿しい。



俺がその光景を見てたら、
女が男の頬を平手打ちした。



バチーンっと気持ちいい音が
響き渡った。



痛そ…



男はとうとう諦めたのか、
落ちたものを拾い始めて、
女になにかを言った。



そしたら、言い争いになって
罵声を浴びせる女。




「あなたを養ってあげてただけ、
ありがたいと思ってくれる！？」




…あぁ、これだから女は面倒臭い。




自分のいいようになれば、
それで満足なんだろ？




俺は見飽きて、そのカップルの
真横を通り抜けようとした。



けど、やめた。



今行ったら、絶対に
巻き込まれるから。




…遠回りになるけど、
こっち通ってくか…




俺は路地裏を通り抜けた。




紙袋が重く感じた。