甘く、苦く
第46章 磁石【move on now】session1
二宮side
親、兄弟、親戚、
そんなの…いるわけないじゃんか。
笑えるわ。
家族との縁は、
自分から切ったんだよ。
あんな家、もう、行きたくないんだ。
思い出したくもない。
でも、本当は温もりが欲しくて。
街ん中フラフラ歩いてたら
知らねぇ奴に無理矢理抱かれた。
それが終わったら、
金がもらえる。
その時、なんかわかんねぇけど
口元が緩んでたんだ。
俺は、笑ってた。
酷いことされても、辛くても、
抱かれるだけでこんなにももらえると思ってなかった。
それが、俺の唯一の温もりでもあった。
「…お前、これ…」
おにーさんが20万円入った
紙袋を持ってる。
「あぁ、それ?もらったんだよ」
「…誰から?」
「名前も知らねぇ奴」
俺が言い切ったら、おにーさんは
俺の頬を思いっきり殴った。
ひさしぶりに殴られた気がした。
殴られるなんて、
セックスしてるときしかないから。
「お前のしてることは最悪だぞ…」
「だから?俺、自分のことおかしいって思ってるもん。
ちゃんとわかってるよ?抱かれるだけでさ、こんなにも
お金が手に入るなんて、こんな楽なことないよ?」
「……」
おにーさんはしばらく黙ってた。
…名前は知ってるけどさ。
表札見たから。
「おにーさん、送ってくれてありがとう。
明日も仕事でしょ?帰っていいよ」
「…あぁ、そのつもりだよ…」
おにーさんは紙袋を
机に置いてさっさと帰っていった。
これでいいんだ。
俺は、あの人と関わったら
いけないから…
親、兄弟、親戚、
そんなの…いるわけないじゃんか。
笑えるわ。
家族との縁は、
自分から切ったんだよ。
あんな家、もう、行きたくないんだ。
思い出したくもない。
でも、本当は温もりが欲しくて。
街ん中フラフラ歩いてたら
知らねぇ奴に無理矢理抱かれた。
それが終わったら、
金がもらえる。
その時、なんかわかんねぇけど
口元が緩んでたんだ。
俺は、笑ってた。
酷いことされても、辛くても、
抱かれるだけでこんなにももらえると思ってなかった。
それが、俺の唯一の温もりでもあった。
「…お前、これ…」
おにーさんが20万円入った
紙袋を持ってる。
「あぁ、それ?もらったんだよ」
「…誰から?」
「名前も知らねぇ奴」
俺が言い切ったら、おにーさんは
俺の頬を思いっきり殴った。
ひさしぶりに殴られた気がした。
殴られるなんて、
セックスしてるときしかないから。
「お前のしてることは最悪だぞ…」
「だから?俺、自分のことおかしいって思ってるもん。
ちゃんとわかってるよ?抱かれるだけでさ、こんなにも
お金が手に入るなんて、こんな楽なことないよ?」
「……」
おにーさんはしばらく黙ってた。
…名前は知ってるけどさ。
表札見たから。
「おにーさん、送ってくれてありがとう。
明日も仕事でしょ?帰っていいよ」
「…あぁ、そのつもりだよ…」
おにーさんは紙袋を
机に置いてさっさと帰っていった。
これでいいんだ。
俺は、あの人と関わったら
いけないから…