甘く、苦く
第46章 磁石【move on now】session1
櫻井side
「あれ?」
大野さん家に来たけど、
誰もいなくて。
置き手紙…みたいなのが
置いてあって。
『市民病院に行ってきます』
って書いてあった。
すっごい慌てて書いたのか、
字が雑。
「…んー、」
どうする?俺。
ここで帰るのもあれだから、
ちょっと待っていようかな。
…あ、いや……
帰ろうかな。
「これで、よしっと…」
置き手紙を裏にして
『また来ます 櫻井』
と書いておいた。
大野さん、
風邪でも引いたのかな。
俺は会社に向かいながら
そんなことを考えてた。
「ただいまー」
家に帰ったのは定時より早くて。
いつも笑顔で「おかえり」って
言ってくれる二宮もいなくて。
携帯のメールボックスを開けても
受信メッセージはなくて。
「どうしたんだよ…」
俺がどうしたもんかと
考えてると電話がかかってきた。
「もしも――「櫻井さん!?」
声の主は大野さんだった。
「あ、どうしました?」
「その……二宮くんのことで。
二宮くんから話を聞いて……」
…大野さんと知り合い?
……ちょっと待って。
だめだ。
思考ストップしそう。
「二宮くん、退院できそうなんで
櫻井さん、市民病院まで車出せます?」
「え、あ、はい」
「じゃ、お願いしますね!」
…そこで電話は
一方的に切れてしまった。
と、とにかく、
市民病院まで車出さないと!
「あれ?」
大野さん家に来たけど、
誰もいなくて。
置き手紙…みたいなのが
置いてあって。
『市民病院に行ってきます』
って書いてあった。
すっごい慌てて書いたのか、
字が雑。
「…んー、」
どうする?俺。
ここで帰るのもあれだから、
ちょっと待っていようかな。
…あ、いや……
帰ろうかな。
「これで、よしっと…」
置き手紙を裏にして
『また来ます 櫻井』
と書いておいた。
大野さん、
風邪でも引いたのかな。
俺は会社に向かいながら
そんなことを考えてた。
「ただいまー」
家に帰ったのは定時より早くて。
いつも笑顔で「おかえり」って
言ってくれる二宮もいなくて。
携帯のメールボックスを開けても
受信メッセージはなくて。
「どうしたんだよ…」
俺がどうしたもんかと
考えてると電話がかかってきた。
「もしも――「櫻井さん!?」
声の主は大野さんだった。
「あ、どうしました?」
「その……二宮くんのことで。
二宮くんから話を聞いて……」
…大野さんと知り合い?
……ちょっと待って。
だめだ。
思考ストップしそう。
「二宮くん、退院できそうなんで
櫻井さん、市民病院まで車出せます?」
「え、あ、はい」
「じゃ、お願いしますね!」
…そこで電話は
一方的に切れてしまった。
と、とにかく、
市民病院まで車出さないと!