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甘く、苦く

第46章 磁石【move on now】session1

二宮side




あ、倒れたんか。


大野さんの安心した顔を見て
俺も少し安心した。



「いやぁ、櫻井さんと同居してるのかあ。
ちょっと驚いた……ってか、結構。」

「えへへ…」



大野さんと俺はもともと趣味合うし
たまにだけど、釣りも連れてってもらう。


その度、肌が黒くなって
困っちゃうんだけどね笑



「あ、ほら、来たんじゃない?」

「…あれかな?」



櫻井さんのものだと思われる
黒い車が止まる。

そこから出てきたのは、
やっぱり櫻井さん。


…ちょっと怒ってる?



「二宮!人様に迷惑かけてっ!」

「いてっ」



こつんっと頭を小突かれた。


それを見て大野さんが
ニヤニヤしてる。



「仲、いいんだねぇ~♪」

「「そんなことないです!」」



…あ、なんかハモった。


恥ずかしくなって
櫻井さんの方に視線を向けると
なぜか櫻井さんも顔が真っ赤で。



「と、とりあえず、ありがとうございました。
ほら、二宮帰るぞ。」

「あ、はい…」

「またねー」



駐車場で大野さんと別れた。


助手席に乗り込もうとする俺の腕を
ぐいっと引っ張ってシートに俺を押し付けた。



「な、なにす…」



俺の言葉は櫻井さんの
唇によって発することが
できなくなった。

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