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甘く、苦く

第47章 翔潤【Happiness of the from】





だからこうやって、
一緒に飲んだりしてる。


潤と一緒にいれば、
満たされてく俺の心。



…だけど、それは八割だけで。

残りの二割はもっともっとって、
求めるから。


もっと深い関係になりたい。
これじゃ足りない。




潤を見る度、心の中の
俺がそう言うから。


「ふふ、ふたりで飲むの
なんかひさしぶりだね。」

「おう」


"ふたり"という言葉に反応してしまう俺。


かっこわりぃな。
とか思う。


男らしく、歳上らしく、
びしっとしたい。


けど、潤と一緒にいると、
そんなこと考えらんなくて。


潤の前だと、"いつもの俺"が
崩れていく。

ありのままの俺を出してしまう。



「翔さん、話したいことって?」

「あ…っと…」



そうだ。

それを口実に飲みに誘ったんだ。



…俺の想いを伝えるのは
まだ先でいいなんて思ってたけど。


こんな機会があるなら、
今のうちに…。


『焦んなくてもいい』


相葉くんに言われた言葉。


けれど……。


こんな機会じゃないと
俺は言えないから。


臆病な俺は、
その言葉を出せないから。

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