
甘く、苦く
第47章 翔潤【Happiness of the from】
潤は突然叫んだ俺に
びっくりしてる。
…ごめんな。
我儘言って。
「…翔さんのばか。
…嬉しいよ、ばか」
「……え?」
潤は目尻にいっぱい涙を溜めて
俺の背中に抱きつく。
「…俺っ、翔さんと
全然一緒にいれないから、
なんかっ、寂しくてっ…
…うぅぅ……ばかあっ」
潤の涙が俺のシャツを
濡らしていく。
…そうか。
俺はこんなに潤に
我慢させていたんだな。
傷付けてたんだ。
俺は持っていた
お皿を置いて、
潤に正面から抱きついた。
「え…?翔さ、」
うるさい口は、
唇で塞いだ。
啄むようなキスを
何度もした。
そのうち潤の体から
力が抜けていった。
「っと、危ない…」
「翔、さん…
…ベッド、いこ?」
潤のこの言葉に、
俺の中のなにかが
パチンっと弾けた。
