テキストサイズ

甘く、苦く

第47章 翔潤【Happiness of the from】

櫻井side



汚れのない涙が
ボロボロと溢れる。


まるで水晶のようだ。



本当は泣かせたくないけど
それさえも美しいと感じてしまって。



「…潤、綺麗だよ…」

「ほんと…?」



痛みに耐えながら
俺を見つめる潤。


ゆっくり首を縦に振る俺。


それを見て潤は
一言呟いた。


「嬉しい…」って
本当に小さな声で。



俺だってお前と繋がれて
すごく嬉しい。


…でも、気持ちよくなってるのは
俺だけで。

それが許せなくて。


『潤と一緒に気持ちよくなりたい。』


それが俺の本音だ。



「潤、動くよ?」

「うん…」



潤の手をしっかり握り、
俺は腰を前に進めた。



潤から苦しそうな声が聞こえたけど
聞こえないフリをして前へ前へと
腰を進めた。


…自分勝手でごめんね。

聞き分けのいいヤツにはなれやしない。



「くっ、あ…しょおさ…」

「ん…?」



潤は歪んだ笑顔を
俺に見せた。



「翔さん…気持ちよくなって?」



…そんなこと言わないで。

止まれなくなるから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ