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甘く、苦く

第48章 モデルズ【反比例・比例】






「雅紀、シートベルトして。」

「あ、うん…」



潤は紺色のスーツを
身に纏っている。


…かっこいいなって
見惚れてたら、なんか眠くなってきて。




あー、寝ちゃダメだ。
寝ちゃダメ…。

とか思ってる内に
寝てたみたいで。



「雅紀、着いたよ。」

「え…?ここって…」



潤が来たところは
帝国ホテル…。


え、なんでこんなところに?



「いいから、行こ?」



状況が掴めていない俺の手を
しっかりと握り込んで受付を済ませる。




「ごめん…。こんなとこ、急に。」

「え、あ、いや……」



え、種明かしってこれ?

ん?んんん?

どういうことなの?



潤が「こっち」って
エレベーターに乗り込む。


なんか俺…場違いじゃない?


いや、身形はかなり
気合い入ってるけどさ
潤みたいにかっこよくないし…さ。

それに、なんかアタフタしてて
落ち着きがない子供みたい。




「ここ…って…。」

「ごめんね。
スイートルームがよかったんだけど
空きがなくてさ…。

ジュニアスイート…でもいい?」



え?ええ?

これから、何が始まるの?

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