
甘く、苦く
第49章 磁石【move on now】session 2
櫻井side
雅紀と仲直りして、
定時には帰れると思ってたのに。
また、残業。
「あぁー、くっそだりぃ…。」
早く帰って二宮に
会いたいのに。
抱き締めたいのに。
「翔ちゃん、ドンマイ!
それと、ガンバっ!」
そう言って雅紀は
俺の机の横に栄養ドリンクを
置いて帰っていった。
…畜生。
パソコンに向かい続けて
早四時間。
そろそろ目が疲れてきた。
…二宮からのメールもなし。
寝ちゃってるかな。
もう十一時過ぎだ。
いつもなら寝る時間なんだから。
それでも、
声くらい聞きたくて。
二宮に電話をしてみた。
「…もしもし?」
二宮の声は曇っていた。
…いつもの明るい声とは違う、
全く別人のような声。
「…櫻井さん、ごめんなさい。
俺、汚れちゃった…。
もう…合わせる顔ないよ…。
ごめんなさい…。
家、出る…。」
「ちょ、にのみ…」
電話は一方的に切られた。
…あぁ、くっそ。
俺は電話を握り締めたまま
会社を飛び出した。
雅紀と仲直りして、
定時には帰れると思ってたのに。
また、残業。
「あぁー、くっそだりぃ…。」
早く帰って二宮に
会いたいのに。
抱き締めたいのに。
「翔ちゃん、ドンマイ!
それと、ガンバっ!」
そう言って雅紀は
俺の机の横に栄養ドリンクを
置いて帰っていった。
…畜生。
パソコンに向かい続けて
早四時間。
そろそろ目が疲れてきた。
…二宮からのメールもなし。
寝ちゃってるかな。
もう十一時過ぎだ。
いつもなら寝る時間なんだから。
それでも、
声くらい聞きたくて。
二宮に電話をしてみた。
「…もしもし?」
二宮の声は曇っていた。
…いつもの明るい声とは違う、
全く別人のような声。
「…櫻井さん、ごめんなさい。
俺、汚れちゃった…。
もう…合わせる顔ないよ…。
ごめんなさい…。
家、出る…。」
「ちょ、にのみ…」
電話は一方的に切られた。
…あぁ、くっそ。
俺は電話を握り締めたまま
会社を飛び出した。
