甘く、苦く
第49章 磁石【move on now】session 2
上目遣いのまま、
ねぇ…って呟くと
櫻井さんの顔は赤くなる。
ふふ、りんごみたい。
「ねぇ、一緒に入ろ?
櫻井さんと入りたい。」
櫻井さんの耳元で
甘く、囁く。
俺は櫻井さんの
首筋をぺろっと舐めた。
「ちょ、二宮…」
「…だめ?」
じっと見つめてたら、
櫻井さんは諦めたのか
着替え持ってくるって言って
俺からスッと離れた。
温もりがなくなって
寂しいのは秘密。
「…二宮、ごめん。」
「え?」
振り返ったら、
櫻井さんに唇を奪われた。
と思ったら今度は
舌が入ってきた。
「んぅ、ふ…」
舌が蕩けるようなキスに
酔いしれそう。
「さくら、さ…」
「…ごめん。
やっぱ我慢できない。」
「あ…ちょっ。」
櫻井さんに手を引かれ、
来たのは寝室。
…ちょっと理解できた。
櫻井さんに押し倒されて、
鼻孔をくすぐる櫻井さんの匂い。
「二宮が可愛いから…
こうなったんだぞ。」
「ひゃっ…」
首筋を這う櫻井さんの
柔らかい舌。
こんなの慣れてるのに、
櫻井さんのだと思うと
体が跳ねた。
「やっ、はっ…」
「可愛い…」
唇に残る微かな温もり。
それがもどかしくて、
「櫻井さん、キス…」
自分からねだってた。