甘く、苦く
第52章 翔潤【曖昧love】
潤、潤って俺の前に座って
楽しそうに話す翔くん。
「もう時間だねえ。
潤、なに着てくの?」
「なんでもいいかなぁ。」
「じゃあ、俺が
コーディネートしてあげるよ!」
そう自信満々に言い張って、
寝室に向かった翔くん。
…え。
翔くんのコーディネート?
センス悪い翔くんが?←
…口が滑った。
残ってるご飯をかっこんで、
寝室へ向かった。
……あぁ、やっぱり。
散乱してる服の数々。
翔くんはそれを並べて、
唸っている。
「…翔くん、
自分でやるからいいよ。」
「え?ほんと?いいの?」
「うん。…これ以上
散らかされても困るし(小声)」
「じゃあ、片付けしてくるね。」
「頼む。」
パタパタとスリッパを鳴らしながら
キッチンへ向かうその背中。
…抱き締めたくなった。
愛しくて仕方がない。
今すぐ行きたい。
「…はぁ、」
散乱した服をクローゼットに
戻す作業で時間を食ってしまった。
翔くんのせいだけど…。
そんな欠点すら、
愛しく思えてしまう。
…うん。シワはない。
何着か翔くんのスーツが
一緒に入ってる。
一緒に並んでいるだけでも
嬉しく感じてしまう。
…きっと俺は、
翔くんなしじゃ生きてけない。