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甘く、苦く

第53章 磁石【move on now】session 3






かずの方に体を反転させて
優しく抱き締めた。

「…かーず。」

「なに?」

「ふふ、」

「なんだよう…」

「大好きだよ。」

「…知ってるもん。」


もんって。

なに。俺を殺そうとしてるの?
かずは自分が可愛いことを
自覚していない。


「…はぁーっ」

「翔さん?」

「かずが可愛くて、
俺死ぬわ。」

「え!?
死なないで!?」


こんなことにも、
真剣になって焦る。

その姿も可愛い。

嘘なのにね。


くすっと笑いが溢れた。


「なに笑ってるんですか。」


ぷくーっと頬を膨らませて、
俺を睨むその姿も、

なぜか正座なのにも、

ぜーんぶぜんぶ、
惚れちゃってる。

俺、櫻井翔は二宮和也が
好きすぎて壊れ始めてる。


「あぁー、もう、
お前は可愛いな。」

「ひゃ、」


ちょっと萎れかけてる
かずのかずを握る。

そしたら、すぐにおっきくなった。


「や、出ちゃ…う」

「出していいよ?」

「やです!」


じたばたと暴れるもんだから
俺は必然的にかずを押さえる形になった。


「ずるい…」

「なにが。」

「翔さんが、
余裕そうでずるい。」

「余裕に見える?」


俺はふっと微笑み
かずに触れるだけの
可愛いキスをした。

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